ナルニア国物語〜ライオンと魔女〜


 初めに申し上げておきます。ワタクシ茶釜は大の指輪物語好きです。

 今まで見てきた映画の好き度全てを足しても指輪には敵わないくらい好きです。

 なので、比べてしまうところが多々あると思います。しつこいぐらいに比べてしまうと思います。

 しかもかなり毒を吐いています。

 それを不快に思われる方はどうぞお戻りください。

 

 

 

 

 

 

 

 では、始めさせていただきます。

 感想としては、美術はすごく綺麗だと思いました。さすが指輪を影から支えたWETA社が作っているだけはあります。

 でも、話はいい意味でも悪い意味でも家族向きで、どうしても物足りなく感じてしまいました。

 まず、人間世界での時間が長すぎたと思います。

 いきなり疎開のシーンから始め、ルーシーの話を信じる信じないと争うシーンをもっと短くしてさっさと兄弟全員ナルニアに向かわせたほうが、ナルニアでの描写をもっと丁寧に描けたのではないかと思います。

 目的地にまで旅をするのにボロボロドロドロにならないのも、なぜかサンタトーストフィッシュ&チップスがあるのも私としては違和感を感じました。

 サンタはともかくとして、食べ物くらいはファンタジー世界独特のものが欲しいなぁと私は思ってしまいます。

 活字の世界だとライオンとか、トーストなどと描写されていてもいくらでも想像を膨らませることは可能ですから問題ないとは思いますが……。

 あとは、映画オリジナルの存在であるキツネは正直いって付け加えなくても別によかったのではないか?と思ってしまいます。何に必要だったのか、私にはわかりかねます。

 またアスランが復活する点や、石にされた仲間が元に戻るシーンは感動的なのですが、「都合がいいな」とどうしても感じてしまいました。

 戦力を削りたいのに、何故処刑せずに石にしたんだ魔女!!と心の中で叫んでしまいました。

 魔女の最期もあっけなかったですね。せめてかっこよく美しく散っていってほしかったです。家族向けなのでしかたがないのはわかっているのですが……。

 あと、何より言いたいのが三つあります。

 一つは、普通の子供であったペベンシー兄弟がいかに恐怖を克服して勇敢な王へなっていくかの描写が少なかったこと。

 二つは、戦争に対する悲愴感が薄いこと。

 殺さなければやられる。守りたいもののために敵を殲滅することは厭わない。でも自分は帰ってこれないかもしれない。

 戦争とはいえ敵を殺したという意識は一生自分につきまとうであろう。そういった覚悟が見えてこなかったです。家族向けだからしかたがないのは(略)

 三つは、終始兄弟ゲンカがいかに収束するかにしか焦点が当たってなかったことです。

 やはり茶釜としては、何も知らない、もしかしたら寝返ることすらあるかもしれない他人同士が結束しあって、共通の目的のために自己の犠牲すら厭わないという姿勢の方が好きです。

 この三つをほんの少しでいいから丁寧に描写してくれたなら、もっと映画全体がよくなったのでは?と考えてしまいます。

 また、王になるまでが早すぎる気が……。

 もちろん、原作がそうなってるので仕方ないのですが、指輪では三年かけて王座を取り戻したことを考えてしまうと、早いなぁと思ってしまいます。

 あ、でも、兄弟の描写はリアルでしたね。

 弟エドマンドが無事に戻ってきてくれて嬉しくてしょうがないのに、素直に労いの言葉がかけられない兄。兄弟ってそんな感じですよね。

 ここまでかなり毒を吐いてきました。気分を害された方、すみません……。

 ですが、こういった見方をする者もいるのだということを理解していただけたら幸いです。

 

 

 

 

 

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