<キャスト>
 グリザベラ         早水小夜子   オールドデュトロノミー   種井 静夫    ジェリーロラム=グリドルボーン   遠山さやか
 バストファージョーンズ  田島 雅彦   ジェニエニドッツ       高島田 薫    マンカストラップ             田村 雄一
 アスパラガス=グロールタイガー↑    ランペルティーザ       真鍋奈津美    ラム・タム・タガー            田邊 真也
 ディミータ          飛田 万里   ミストフェリーズ       蔡  暁強     ボンバルリーナ             松下 沙樹
 マンゴジェリー       百々 義則   シラバブ            小粥真由美    スキンブルシャンクス         ユチャンミン
 タントミール         河西 伸子   コリコパット          牛  俊傑     ジェミマ                  王  クン
 ランパスキャット      幸田 亮一   ヴィクトリア          金井紗智子    カーバケッティ              劉  志
 カッサンドラ         大口 朋子   ギルバート          張  文ショウ   マキャヴィティ              赤瀬 賢二
 タンブルブルータス    村瀬 美音

 <あらすじ>
 満月が皓々と照らす、街のゴミ捨て場。
 たくさんのジェリクルキャッツたちが、舞踏会に参加するために集まってくる。
 ジェリクルキャッツとは、人間に飼いならされることを拒否し、自由気ままに孤高に生きる、個性と強靭さを兼ね備えた猫のこと。
 そして今夜は、ジェリクルキャッツの長老が開く特別な舞踏会。
 長老に選ばれたただ一匹のジェリクルキャッツだけが、天上に昇り再生を許される。
 ジェリクルキャッツたちは、自らが選ばれるよう、自らの強烈な個性を示し、踊り歌う。
 しかし、その舞踏会の中にたった1匹、入っていけないジェリクルキャットがいた。
 彼女の名前は、グリザベラ。娼婦としてみんなから蔑まされ、孤独に苛まれている。
 そして夜明け前。とうとうジェリクルキャッツの長老が、天上に昇るただ1匹の名を告げようとする……。

 

 いや〜。やっぱりいいですねぇ。キャッツ。アンドリュー・ロイド=ウェバーは天才だ!

 この作品は、あまり話しの筋自体が重要なわけではなく、音楽とダンスという視覚的な力にひたすら導かれていくタイプの作品です。

 とはいっても、決して中身が無いわけじゃないんです。そこは原作がT.S.エリオットなだけあります。

 イギリスらしい(上演場所は日本ですが)ウィットが利いていて原作も読んでてすごく楽しかったです。

 ここで、23匹の個性的なジェリクルキャッツの簡単な紹介といきましょうか。

 

 グリザベラ:昔は売れっ子だったが、今は落ちぶれた娼婦ネコ。みんなから疎まれ、孤独を募らせている。

        演じている早水さんは、歌に定評のある方だけあって、「メモリー」は絶品でした。

 オールドデュトロノミー:ジェリクルたちの長老。いつも奥のほうから温かく見守っている。

               始めは少し声がかすれ気味に聞こえたのですが、高音部は美しかったです。

 マンカストラップ:みんなをまとめるリーダー格の兄貴ネコ。危険にも率先して立ち向かう。

           前回見た人よりも、今回の田村さんは声がすごく良かったです。ダンスは言わずもがなですが。

 タントミール:シャム猫チックな、セクシーな雌ネコ。演じてる女優さんの体のラインがとても美しかったですね。

 ギルバート:身軽な雄ネコ。空中ブランコを自在に操る。

        「グロールタイガー」という劇中劇の中で、シャム猫軍団の隊長として、見事なカンフーを披露してました。

 ジェニエニドッツ:優しく世話好きなおばさんネコ。夜になるまではジッとしてるが、夜にはネズミやゴキブリたちに教育を施す。

           高島田さんのおばさんネコは、とてもキュートでした。特にネズミやゴキブリの教育シーンが。

 バストファージョーンズ:グルメでリッチな肥満体のおじさまネコ。このネコも可愛らしいですv丸々と太った、憎めないキャラです。

 ラム・タム・タガー:あまのじゃくなセクシー猫。ワイルドでプレイボーイな雄猫。

            田邊さんが、個人的に好きなので悶死しかけでした(笑)本当にカッコいいです。以前は山口祐一郎さんが演じてたりしてました。

 ジェミマ:ジェニエニドッツやグリザベラの境遇を歌うなど、少し一歩引いた目線から眺めている雌ネコ。

      飛田さんは、パワフルな歌声が素敵でした。

 ヴィクトリア:全身真っ白な毛並みの雌ネコ。猫たちの中でも一際優雅さを誇る。

        月明かりの中で一人踊るシーンは、美しいです。何で足、そこまで上がるの?!みたいな。

 コリコパット:すばしっこい雄ネコ。ヴィクトリアとよくペアで踊る。

         今回は二階席で見ていたのですが、彼がよく目の前を駆け抜けてくれました。

 マンゴジェリー:相棒のランペルティーザと共にコソ泥稼業に励む雄ネコ。キュートですねぇ〜^^悪気全くなしな辺りがネコらしい。

 ランペルティーザ:コソ泥の雌ネコ。彼らの持ち歌の所は、側転しながら歌ってるのですが、それがスゴイ。よく声がぶれないものだ。

 アスパラガス:通称ガス。かつては名優だったが、今は年老いて昔語りしか出来ないおじいちゃん猫。

         演じているのは、バストファージョーンズを演じていた人なのですが、全くベクトルが違う役なので、別人に思えます。

 ジェリーロラム:ガスの側に優しく寄り添う、包容力のある雌ネコ。

          かなり人気のある、役得なネコのはずなのですが、今回の遠山さんは歌が少し……う〜〜〜ん。

 グロールタイガー:ガスが劇中劇で演じる、海賊の親玉ネコ。でも、案外一目ぼれをするなど、純情な面も。

            グロールタイガーのシーンは、船が戸板返しで出てくるのにまずビックリ。理不尽な親玉も素敵。

 グリドルボーン:ジェリーロラムが劇中劇で演じる、グロールタイガーを裏切る小悪魔的な雌ネコ。

          白い、フワフワな毛皮のカワイイ猫です。シャム猫軍団に引き渡して、裏切るのに、それすらもカワイイ。

 カッサンドラ:神秘的な、落ち着いた物腰の雌ネコ。ダンスは上手いのだけど、歌はちょっと……。という感じでした。

 タンブルブルータス:こちらも、カッサンドラと似た容姿の雄ネコ。二人で踊るシーンは何かトランスしてしまいそうな神秘さがありました。

 スキンブルシャンクス:寝台列車に乗り込んで、乗客の為に働く雄ネコ。

              キャッツの中で、1,2を争う人気なネコです。茶釜ももちろん大好きですv彼の曲は愉快で楽しいです。

 マキャヴィティ:悪事の限りを尽くした犯罪王。神出鬼没で本当の姿を正確に見たものはいないとされる。

          彼のことを歌った「マキャヴィティ」」はピンクパ○サー風でせくすぃです。ちなみに名前の由来は「マキャヴェリ」と「モリアーティ」らしいです。

 ディミータ:警戒心の強い、気性の激しい雌ネコ。グリザベラやマキャヴィティに、いつも真っ先に立ち向かっていく。

       彼女はよくネコ特有の「シャーッ!」ていう声を出してくれます(笑)ダンスも抜群でした。

 ボンバルリーナ:クールでセクシーな大人の雌ネコ。魅惑的なダンスを踊る。

           彼女もダンスは抜群でしたが、その反動か、歌はあまり……。残念でした。

 カーバケッティ:一見ニヒルで控え目な青年猫であるが、ダンスのセンスは抜群。彼もよく、二階まで上がってくれて、盛り上げてくれました。

 ランパスキャット:エネルギッシュな若い雄ネコ。日本版の彼は、白と黒のクールな外見ですが、DVDで見たイギリスの彼は化け猫にしか見え(略)

 ミストフェリーズ:カワイイ外見だが、不思議な魔力を持ったマジシャン猫。

           彼は、文句なしにダンス力NO.1です!ジャンプして足を手につけるスタージャンプも見事に決めてました!

 シラバブ:生まれたばかりの無垢な子猫。純粋だからこそ、孤独なグリザベラと心を通い合わせることができる。

       今回の子粥さんは、本当に声が澄み渡っていて綺麗でした。歴代シラバブの中で上位に食い込むのでは?

 

 ダンスが抜群に上手い人は歌があまり上手でなく、音大で声楽をみっちり鍛えた人はあまりダンスが得意でない。

 よく言われることですが、残念ながら、今回の公演でも何人かそういう人がいました。もちろん、前者ですが。

 でも、逆にダンスはすごかったです。正に人間ビックリショー。何であそこまで足が上がるんでしょうか?何であんなにクルクル回れるんでしょうか?

 言うまでもなく、両方とも見事にこなしている人もいました。

 たとえば、ラム・タム・タガー、マンカストラップ、シラバブ、ランペルティーザなどなど。

 高校時代よりも本格的にミュージカルをやるようになったので、何だか高校時代に見た時よりも、彼らが明確な目標になっているような……。

 ものすごく遠いですが。

 そして、二回目+後ろの席だったということもあって、今回は冷静に全体を見渡せたと思います^^

 照明や、役者の衣装やメイクにも目がいったり。

 CATSは本当に、照明とか舞台装置が派手です。

 舞台がゴミに埋まってます。しかも、ネコの目線から見た大きさに拡大されたゴミに。

 そのゴミが後で、椅子になったり、列車になったりするのだから驚き。この舞台を造った人の発想力は凄まじい!

 あと、前回に比べて中国・韓国の役者さんの率が高いなぁと思います。前は本当に一握りだったのに。

 後、一年半前にも出ていた人は、4,5人しかいませんでした。

 ダブル・トリプルキャストなので、層が厚いんでしょうね。確かにこんなにハードな舞台を毎日はできない;

 めまぐるしい舞台だけど、曲のバラエティさと個性的なジェリクルキャッツたち目当てにまた行きたいです。

 

 

 

 

 

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